湖の秋・3

フリーパスの最終日にまた阿寒湖畔までやってきた。(4000円でとことん使い倒してやったw)湖畔の小さな温泉宿に一泊して、朝一番で滝口から双岳台までタクシーを走らせた。前日が雨で、雨上がりの朝は空気の透明度が高いと踏んだのである。ヨミがあたって、雲ひとつない快晴である。


双岳台からは雌阿寒岳、雄阿寒岳の二つの山を一望できる。もっとも、一番いい撮影ポイントは、駐車場からしばらく歩いて下りたところにある。先日、バスで通ったときに目星をつけていた場所で、この写真はそこから撮ったものだ。

双岳台から歩いて30分余り下ると双湖台がある。ペンケトー(アイヌ語で上の湖)、パンケトー(下の湖)が一望できるというふれこみだが、パンケトーの方はちらっとしか見えない。


画面中央がペンケトーでその左上に僅かに青い湖面が見えているのがパンケトーだ。(写真をクリックして拡大しないと判別できないと思う。)木々が葉を落とす冬にはもう少し見えるかもしれない。
しかし、原生林に囲まれたペンケトーの吸い込まれるような青さを目の当たりにすると、それだけでも、ここを訪れた甲斐があったと思う。


すっかり色づいた阿寒の原生林を撮影しながら、双湖台から阿寒横断道路を歩いて下る。双岳台からいうと10km余り、2時間ほどの道程である。舗装道路で基本的に下り坂だから体力的に無理はないが、歩道があるわけではないので、すぐ横をバスやダンプなどの大型車が通るとちょっと怖い。タクシーの運転手さんに「歩いて降りるのはちょっと怖いかも」と言ったら、
「なーんも、こわくないっしょ」と返された。北海道弁の「こわい」と勘違いされたのかもしれない。当地では「疲れる」ことを「こわい」と表現するのである。平日で車の通行量が少なかったこともあり、いずれの意味でも「こわく」はなかった。

阿寒横断道路を下りきって、湖畔方向にしばらく歩くと「滝口」である。前回のブログに写真を載せたが、橋の上から滝と紅葉を眺めるポイントとして有名である。橋を渡ってバス停の横の小径を右に曲がり、もう少し歩くと阿寒湖畔にでる。


温泉街から見る阿寒湖はのっぺりしていて面白くないが、滝口あたりは小さな島が点在し、変化に富んでいて美しい。この滝口から雄阿寒岳の登山道に入って10分ほど歩くと太郎湖である。阿寒湖からの水が流れ込んでせせらぎがある。原生林のなかにひっそり佇む湖はなかなかいい感じだ。


この登山道は踏み分けに毛が生えたようなもので、太郎湖あたりまで傾斜はほとんどないが、小さな岩を越えたり、木の根を踏んで歩いたりで足許には気を使う。さらに10分ほど歩くと次郎湖である。


緑色めいた独特の湖面は水質の関係だろうか。この二つの湖(というか池)は冬でも凍らないらしい。もう少し歩いてみたい気がしたが、これ以上奥に入るとクマがこわい(疲れるという意味ではない)。帰りのバスの時間もあるので、後ろ髪引かれる思いを残しながら次郎湖で引き返した。愛用のSkagenのスマートウォッチによれば、一日で22182歩、距離にして14km余りを歩いたようだ。今年の最高記録であるのは間違いない。

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