大人の休日倶楽部の旅(1)・松川温泉松楓荘

JR東日本の「大人の休日倶楽部」周遊券を使って旅に出た。
これはJR東日本の管内なら4日間、
新幹線を含めいくら乗っても15000円というもので、
東京〜盛岡を普通に乗れば片道14740円だからお得感満載である。
ただ、使えるのは年に3回、
それも期間が限られているため、
去年は仕事や通院の都合とぶつかって結局使えず仕舞いだった。
今年は満を持して…東北に3泊4日の秘湯めぐりの旅に出た。

初日のきょうは岩手県の松川温泉。
在職時代、岩手にはよく仕事で通ったが、
交通が不便なためなかなか訪れる機会がなかったところである。
新幹線で盛岡まで行き、そこからバスで2時間近くかかる。
八幡平リゾ−トホテルまで行ったところで、
バスを乗り換えるように求められた。
ここから松川温泉までは昔懐かしいボンネットバスで行く。


バスには「1968年式TSD40改」とある。
なんだか戦時中の戦闘機の型式みたいだ(笑)。
この旧式のバスが雪の坂道をぜいぜい言いながら登っていく。
否が応でも「秘湯」への期待感が高まるではないか。
「松楓荘入口」のバス停で降りて、
新雪をきゅっきゅっと踏みしめながら歩くと、
雪に覆われた古い木造の建物が見えてくる。


今宵の宿、松楓荘である。
「日本秘湯を守る会」の会員旅館で、
ぼくは「守る会」のホームページから予約をした。
玄関のところにかすれた墨字で「寛保3年開湯」とある。
寛保3年は西暦1743年にあたるそうで、たいそう古い話だ。
さっそく入浴。
まず、露天風呂(混浴…だが、女性はいそうにもない)に入る。


野趣溢れる雪見風呂だ。
泉質は弱酸性の単純硫黄泉で白濁している。
とても体が温まる、いい湯だ。
内湯は「ぬるめ・普通の湯」と「熱めの湯」の二種類ある。
ぼくにとっては42℃前後の「熱め…」がちょうどいい。


浴室には湯気が充満していて、他の入浴客の顔が見えない。
湯気を通してほのかに見える人影から、
かろうじて他に人がいるのが判るぐらいだ。

夕食は素朴なもので、イワナの塩焼き、天ぷら、すき焼きなど。
食堂で隣りあった若いご夫婦に話しかけられる。
青森の人で、
各地の「秘湯を守る会」会員旅館をまわっているという。
一度、青森の深沢温泉に行ってみてください、と言われる。
八甲田山麓にある、鄙びた風情の一軒宿らしい。


ビールと盛岡の地酒「あさ開」の純米吟醸を飲む。
山の宿にきてまで海産物を食べたいとは思わないぼくは、
茸や山菜の類を肴に一杯やってすっかり上機嫌。
イワナの塩焼きが冷えていたのは少々残念だったが、
追加注文したイワナの刺身(500円)が美味しかった。


ビールと言えば、
この宿には「日本秘湯を守る会」限定の「秘湯ビール」がある。


秋田県で作られているもので330ml・650円はちとお高いが、
ラベルには
「日本で唯一、ブナの樹から採取したブナ天然酵母を使用」とある。
能書きはまぁどうでもいいのだが、
ちょっとエールっぽい、濃密な味わいの旨いビールだった。


コメント

  1. うわぁ・・
     雪の中の温泉 素敵ですなぁ!
      
      デジカメ大丈夫でふか?

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  2. よく温泉に持ち込んだりするので、正直、不安です。
    硫黄っ気を含んだ湯気に当てられますし…。

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